目次
コモディティとは?
コモディティとは、金・銀・原油・天然ガス・農産物などの「実物資産」のことを指します。株式や債券とは異なり、モノそのものに価値があるため、インフレや経済不安の際に強い資産として注目されています。
【インフレとは?】物やサービスの価格が上昇し、お金の価値が下がる現象です。たとえば、100円で買えたパンが120円になると、同じ100円では買えなくなります。
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インフレってどういうこと?物価が上がる理由や暮らしへの影響を、初心者にもわかりやすく解説します。
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コモディティがインフレに強い理由
- 実物に価値がある
金や原油、農産物などはモノそのものに価値があるため、物価が上がると価格も連動して上昇しやすくなります。 - 通貨価値の下落に強い
通貨の価値が下がっても、世界中で需要のある資源は価値を保ちやすいです。 - 供給が限られている
特に金やエネルギー資源は簡単に増やせないため、需要が高まると価格が上昇しやすくなります。 - 世界的な需要がある
インフレ時には、投資家が「価値を保てる資産」に資金を移す傾向があり、その代表がコモディティです。
分散投資におけるコモディティの役割
- インフレ対策:物価が上昇しても、金や原油などは価値が上がりやすい。
- 株式との値動きが異なる:株式が下落しても、コモディティが上昇することがあり、リスク分散に効果的。
- 世界情勢に敏感:地政学リスクや天候などが価格に影響するため、ニュースと連動して動くのが特徴。
金価格の推移はどうだったのか?(日本国内・1gあたり)

私が生まれた1993年に10万円分の金を購入していたら、2025年現在はいくらになっているのか試算してみました!
| 年 | 金価格(1g) | 保有量 | 資産価値 |
|---|---|---|---|
| 1993年 | 約1,360円 | 約73.5g | 10万円 |
| 2024年 | 約12,800円 | 約73.5g | 約94万円 |
子供が生まれたら記念にいくらか購入しておくのも素敵なプレゼントになるかもしれませんね。
ビットコインは新たなコモディティになるのか?
最近では、暗号資産としてビットコインが注目されています。将来的にコモディティと同様の役割を果たす可能性も十分にあります。実際に「デジタルゴールド」と呼ばれることもあり、その性質は金に似ています。
ビットコインがコモディティ的な役割を果たす理由
- 供給量が限られている
発行上限は2,100万枚。これ以上増えないため、希少性が高く、インフレに強い資産として注目されています。 - 中央管理者がいない
政府や中央銀行に依存しない分散型資産であり、金と同様に誰にも支配されない価値を持ちます。 - インフレ対策としての期待
法定通貨がインフレで価値を失っても、供給が固定されているビットコインは価値を保ちやすく、インフレ対策資産としての認識が広がっています。 - 流動性と取引のしやすさ
デジタル資産であるため、世界中どこでもすぐに取引可能。金よりもスピーディで、個人投資家にも扱いやすいのが特徴です。
初心者向けのコモディティ投資方法
| 投資方法 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 現物投資(金貨・インゴットなど) | 実物を保有 | 安心感、インフレヘッジ | 保管コスト、盗難リスク |
| ETF(上場投資信託) | 金や原油などの価格に連動 | 少額から始められる、分散効果あり | 運用コストがかかる、価格が完全連動しないことも |
| 積立投資(貴金属) | 毎月少しずつ購入 | 長期的な資産形成に向いている | 価格変動リスクあり |
| 先物・CFD取引 | 将来の価格を予測して売買 | レバレッジで効率的な取引が可能 | ハイリスクなので初心者には注意が必要 |
REIT(不動産投資信託)とは?
REIT(Real Estate Investment Trust)は、不動産投資信託のことです。複数の投資家が資金を出し合い、ビルやマンションなどの不動産を購入し、その家賃収入を分配する仕組みです。つまり、「大家さん」として分配金を受け取ることができます。
REITの魅力
- 少額から不動産投資が可能(数万円からスタート)
- 利益の90%以上を投資家に還元するルールがあり、利回りが高くなりやすい
- 物件の管理はプロに任せられるため、手間がかからない
- 証券取引所に上場しているため、株式のように売買が可能
REITの種類と特徴
1. オフィス型REIT
- 投資対象:都市部のオフィスビル
- 特徴:企業の賃貸需要に支えられ、安定した賃料収入が見込める
- 注意点:リモートワークの普及などで需要が変化する可能性もある
2. 住宅型REIT
- 投資対象:マンションやアパートなどの居住用物件
- 特徴:景気に左右されにくく、安定した収益が期待できる
- 注意点:地域の人口動態や賃貸需要に影響される
3. 商業施設型REIT
- 投資対象:ショッピングモール、ロードサイド店舗など
- 特徴:消費動向に連動しやすく、好立地なら高収益も可能
- 注意点:景気や消費者行動の変化に敏感
4. 物流施設型REIT
- 投資対象:倉庫、配送センターなど
- 特徴:EC(ネット通販)の拡大で需要が増加中。景気に左右されにくい
- 注意点:立地やテナントの契約内容によって収益性が変わる
5. ホテル型REIT
- 投資対象:観光地や都市部の宿泊施設
- 特徴:インバウンド需要や観光業の回復で高収益が期待できる
- 注意点:景気や感染症など外部要因の影響を受けやすい
6. データセンター型REIT(新興分野)
- 投資対象:クラウドやIT企業向けのサーバー施設
- 特徴:デジタル化の進展で長期的な成長が期待されている
- 注意点:まだ市場規模が小さく、銘柄選びが重要
選び方のポイント
- 安定性を重視するなら:住宅型やオフィス型
- 成長性を狙うなら:物流施設型やデータセンター型
- 分散投資を意識するなら:複数のタイプを組み合わせた複合型REITがおすすめ
まとめ
今回は、株式・債券・コモディティ・REITという王道の分散投資先について解説しました。それぞれの資産を購入する方法(投資信託やETF、現物など)にも触れました。次回は、投資の世界で有名な運用方法をピックアップして、さらに深く掘り下げていきたいと思います。