目次
一般口座、特定口座、NISA口座は何が違う?
こんにちは。今回は、証券口座を開設する際に多くの方が悩まれる「口座の種類」について、税制面も含めてわかりやすくご紹介します。
前回は、SBI証券・楽天証券・松井証券、そして番外編としてウェルスナビを利用した感想をお届けしました。各社の特徴については、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。
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さて、証券口座にはいくつか種類があり、それぞれ税金の扱いや使い方が異なります。この記事では、代表的な4つの口座タイプとその特徴、税制面の違い、そしてどのような方に向いているかを整理しました。
• すぐに投資を始めたい方 → 「シンプルガイド」がおすすめです
・じっくり学んでから始めたい方 → 「しっかり準備したい人向けガイド」に沿ってこのまま読み進めてみてください
口座の種類は主に4タイプ
口座の種類 | 特徴 | 税金の扱い | 初心者向け度 |
---|---|---|---|
一般口座 | 自分で損益計算・申告 | 約20.315%、申告が必要 | 難しい |
特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が損益計算、申告は自分で | 約20.315%、申告が必要 | 中級者向け |
特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が損益計算+納税も代行 | 約20.315%、申告不要(申告すれば損益通算・繰越控除も可能) | 初心者におすすめ |
NISA口座 | 利益・配当が非課税、2つの投資枠あり | 税金ゼロ、申告不要 | 初心者〜中級者向け |
税金の違いを具体例で比較
● 一般口座
損益計算も申告もすべて自分で行う必要があります
✅ メリット:自由度が高く、特殊な取引に対応可能
⚠️ デメリット:手間と税務知識が必要。初心者には不向きです
● 特定口座(源泉徴収なし)
年間利益が15万円 → 年間20万円以下なら申告不要(給与所得者など条件あり)※住民税の申告は必要
✅ メリット:利益が少ない場合は税金ゼロの可能性あり
⚠️ デメリット:扶養や保険料に影響する可能性があります
● 特定口座(源泉徴収あり)
株で10万円の利益 → 約2万円の税金が自動で引かれ、約8万円が手元に残ります
✅ メリット:確定申告不要、扶養や保険料に影響しにくい
⚠️ デメリット:損失が出ても自動で税金が戻るわけではありませんが、確定申告すれば損益通算・繰越控除が可能です
損失が出た場合の扱い(損益通算・繰越控除)
- 一般口座・特定口座(源泉徴収なし)・特定口座(源泉徴収あり)のいずれでも、確定申告をすれば損益通算・繰越控除が可能
- 損失は最大3年間繰り越すことができる
例:2025年に10万円の損失 → 2026〜2028年の利益と合算して税金を減らすことができます
※この制度を利用するには確定申告が必要です
NISAってどんな制度?
2024年からスタートした「新NISA」は、従来のNISA制度を統合・拡充した非課税制度です。長期的な資産形成に非常に有利で、以下の2つの投資枠があります。
NISA口座の特徴
投資枠 | 年間上限 | 対象商品 | 特徴 |
---|---|---|---|
つみたて投資枠 | 120万円 | 長期積立向けの投資信託 | 自動積立に最適 |
成長投資枠 | 240万円 | 株式・ETF・一部投資信託 | 自由度が高く、個別株もOK |
- 年間最大360万円まで非課税投資が可能(2枠併用)
- 生涯で最大1,800万円まで非課税(うち成長枠は最大1,200万円)
- 非課税期間は無期限
- 売却した分の枠は翌年に復活
税金の具体例
株式を売却して100万円の利益
特定口座 → 約20万円の税金 → 手取り約80万円
NISA → 税金ゼロ → 100万円そのまま
配当金10万円
特定口座 → 約2万円の税金
NISA → 税金ゼロ → 10万円そのまま
NISA口座の注意点
- 損益通算ができない → 損切しても他口座の利益と相殺することができない
- 非課税枠は使い切り型 → 売却してもその年の枠は復活せず、翌年に取得額ベースで復活する
- 対象商品に制限あり → 信用取引や毎月分配型投信、信託期間20年未満の投信などは対象外
目的別おすすめの口座
目的 | おすすめ口座 |
---|---|
手間なく始めたい | 特定口座(源泉徴収あり)+NISA |
節税を意識したい | 特定口座(源泉徴収なし)+確定申告 |
法人・特殊取引 | 一般口座 |
長期資産形成 | NISA口座 |
最後に
税制や口座の選び方は、ライフスタイルや投資目的によって異なります。この記事は一般的な情報をもとにしていますが、詳細については税理士や税務署などの専門機関にご相談ください。ご自身に合った制度を選び、安心して資産形成を進めていきましょう。