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はじめての債券

2025年9月24日

こんにちは! これまでの記事では、個別株投資信託・ETFについて解説してきました。

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今回は、分散投資の王道のひとつである 「債券(さいけん)」 をテーマに、投資が初めての方でもイメージしやすいようにわかりやすく解説していきます。

債券ってなに?

かんたんに言うと、債券は 「お金を貸して利息をもらう投資」 です。

  • 国や企業、自治体にお金を貸す
  • そのお礼として利息を受け取る
  • 満期(あらかじめ決められた期限)が来ると、基本的には貸したお金(元本)が戻ってくる

発行主体によって呼び方が変わります。

  • 国が発行 → 国債
  • 企業が発行 → 社債
  • 自治体が発行 → 地方債

イメージとしては「貯金」に近い投資です。ただし、途中で売買する場合は価格が変動する点が特徴です。

債券の特徴を3つに整理

  • 安定しやすい
    株ほど大きく値動きせず、利息が定期的にもらえます。特に国債は安全性が高いとされます。
  • 満期がある
    3年、5年、10年など、期限が来れば元本が返ってきます。途中で売ることもできますが、そのときは市場価格での売買になります。
  • 金利で価格が動く
    金利が上がると債券価格は下がり、金利が下がると債券価格は上がります。

債券のメリット

  • 株より値動きが小さく安心感がある
  • 定期的に利息がもらえるので家計に組み込みやすい
  • 株と一緒に持つと全体のリスクを抑えられる

債券のデメリット

  • 株のように大きく増えることは少ない
  • 物価が上がると利息の価値が目減りする(インフレに弱い)
  • 発行元が倒産すると元本や利息が戻らない可能性がある

ちょっと特別な債券、ストリップス債(STRIPS債)ってなに?

これは、国債などの 「利息部分」と「元本部分」を切り離し、それぞれを独立した債券として売買できるようにしたものです。

利息がない代わりに安く買える
たとえば額面100万円のストリップス債を70万円で買って、満期に100万円が戻ってくる。差額30万円が利益になります。利息を受け取らず、満期にまとめて元本+利息相当分を受け取る仕組みです。

メリット

  • 満期にまとめて受け取れるのでシンプル
  • 金利が下がる局面では価格が大きく上がる可能性がある

デメリット

  • 満期まで利息収入がない(途中でお金が入ってこない)
  • 金利が上がると価格が大きく下がる
  • 長期債が多く、値動きが大きくなりやすい

ストリップス債は「長期で金利が下がると見込むとき」に力を発揮する商品。安定収入よりも「将来まとめて大きなリターン」を狙いたい人向けです。

債券に投資する3つの方法

  1. 国債を買う
    個人向け国債は1万円から購入可能。安全性が高く、満期まで持つのに向いています。
  2. 社債を買う
    企業が発行する債券。国債より利回りが高いことが多いですが、企業の信用力に左右されます。
  3. 投資信託やETFでまとめて買う
    債券ファンドを通じて、世界中の国債・社債・ストリップス債に分散投資できます。少額から始めやすく、NISAでも利用可能。

直接 vs 投資信託・ETF

1. 投資の単位と分散効果

  • 直接購入 国債は1万円から買えるものもあるが、社債は100万円単位などまとまった金額が必要なことが多い。 → 複数の債券に分散投資するのは難しい。
  • 投資信託・ETF 100円や1,000円からでも投資可能。1本のファンドで世界中の国債・社債に分散できる。 → 少額でも分散効果を得られる。

2. 運用の手間

  • 直接購入 満期まで持つならシンプル。ただし、途中で売却する場合は市場価格を調べたり、売買のタイミングを自分で判断する必要がある。
  • 投資信託・ETF 運用はプロに任せられる。自分で銘柄を選ぶ必要がなく、積立設定すれば自動で投資できる。

3. コスト

  • 直接購入 信託報酬などの維持コストは不要。買うときの価格と利息だけを意識すればよい。
  • 投資信託・ETF 信託報酬(運用管理費用)がかかる。ただし最近は低コストのインデックス型が多く、長期投資でも負担は小さめ。

4. 流動性(売買のしやすさ)

  • 直接購入 満期まで持てば元本が戻るが、途中売却は市場価格次第。社債は流動性が低く、売りたいときに売れない場合もある。
  • 投資信託・ETF 投資信託は1日1回の基準価額で売買、ETFは株式と同じようにリアルタイムで売買可能。流動性は高い。

はじめての人向けの選び方ヒント

  • 目的に合わせる
    数年以内に使う予定のお金なら、値動きの小さい国内債券や短期債を中心に。
    長期なら世界の債券やストリップス債を含む分散投資も選択肢。
  • コアは低コスト
    インデックス型の債券ファンド(国内債券、先進国債券など)はコストが低く、長期保有に向いています。
  • 株と組み合わせる
    株式ファンドと債券ファンドを組み合わせることで、値動きの大きさを調整可能。
    例:「株60%・債券40%」など、自分が安心できるバランスを見つけましょう。

まとめ

  • 債券は「国や企業にお金を貸して利息をもらう」投資
  • 株より安定しやすい一方で、リターンは控えめ
  • ストリップス債は利息がなく、満期にまとめて受け取るタイプの債券
  • 債券ファンドを使えば、少額で分散投資&プロ運用が可能

最初の一歩には、個人向け国債低コストの債券インデックスファンドがおすすめ。
「株だけだと不安…」という人にとって、債券はまさに心の安定剤になってくれる存在です。

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